当塾より武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科の総合型選抜で合格した受験生が制作した作品です。
W490mm×D420mm×H190mm
桐の木
桐の木
桐材は下敷として使われるほどに柔らかく、温かみがある。素足で履いても痛くなくて、触れた時に冷たさを感じない。それは独立気泡構造といわれ、繊維端に達するまで泡のように気泡があり、特殊な繊維構造によるもの。この多孔質に含まれる空気が瞬時に体温と反射的に調和することで、触った時にほっとした触り心地となる。桐は膨張して水分や湿気を吸収し、湿気が少ないときは放湿し湿度を放散する。家に置くことで室内の温度や湿度を緩和することができ、湿気の多い日本では長く愛されている。水分で膨張することから復元力にも優れ、凹んだ部分に水と熱を加えることで元に戻る。
9枚の桐材を重ねて厚み210㎜にした。形はフラフに描いた線を頼りに大きな形を削り出したあと、細かい部分は削りながら検討していった。立体物を作るとき、設置面の形はとても重要。デッサンでも設置面が歪むことで違うものに見えてしまうため、どれだけ面積が床にについているかでかかる印象が変わる。離れたり近づいたり、鑑賞者を確認しながら慎重に削っていった。光にあてて影の範囲を見ることで、どこが歪んでいるかわかりやすい。
人間は歴史的に様々な形を作りデザインしてきた。プロダクト、クラフトだけでなく建築でも「硬い」ものを素材として形が残り続けることが環境形成の土台を作っている。「硬い」造形からは幾何学的な形を立ち上げることも多いが、それは本来自然の中に存在する形とは違い、人間の他の生き物を本来的に柔らかく有機的な形をしている存在である。私が求めるのは、自然の中に存在するような、有機的で包容力のある柔らかい形である。この作品では未来生物が持つ有機的柔らかなを追求し、木の塊を柔らかく、軽やかなものに感じさせるかを表現した。
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