武蔵野美術大学 油絵学科 編入試験 合格者作品。高度情報社会の現代を象徴するかのように非常に多くのモチーフが描かれている、ファンタジックでありながらも問題意識を感じさせる作品です。
星の果て
910×606㎜
シナベニヤ、アクリル、コピック、色鉛筆
テレビやインターネットに侵食された生活、地球だけでなく、他の星まで支配下にしようとする宇宙開発。絶滅していった生物。人類の目指すより良い生活とは一体何なのだろう。何を目指し、どこに向かおうとしているのか。人類の進歩と発展の先に、本当に良い未来が待っているのだろうか。日ごろから抱える疑問を抱きつつ、自分自身も便利な生活に安住している矛盾も感じている。地球という星で生まれ、滅び、死んでゆくものを描いた。
私は、人類の進歩を否定したいわけではない。人類の進歩によって生まれた数々の文化や時代における人の暮らしの暖かさに魅力を感じている。しかし、進歩が速いがゆえにその暖かみは一瞬ですぎてしまうことが寂しいのだ。そして、どんなに優れた研究開発をしても、人間は自然に逆らうことが出来ず、滅びる方向に向かうのだろうと考える。終末的な世界でありながらも、その様子を絶望的に描くのではなく、懐かしさと愛おしさを感じる様子にしたいと思い制作をした。
手前にある陸上は逆光になるよう色彩のトーンを落として制作した。また、影を斜めに伸ばし夕方に見えるような描き方をしたが、あえて時間帯をはっきり決めないことで異空間を感じさせる画面にした。この手法はジョルジョデキリコの作品で描かれる影の使い方を参考にした。海を含めた小さなモチーフにも同じ空間に存在して居るように見せるため、色味を紫に近い形で統一感を出すように努めた。背景には窓ガラスの反射を入れ、この場所が巨大な温室空間であることを表現した。
910×606㎜
シナベニヤ、アクリル、コピック、色鉛筆
テレビやインターネットに侵食された生活、地球だけでなく、他の星まで支配下にしようとする宇宙開発。絶滅していった生物。人類の目指すより良い生活とは一体何なのだろう。何を目指し、どこに向かおうとしているのか。人類の進歩と発展の先に、本当に良い未来が待っているのだろうか。日ごろから抱える疑問を抱きつつ、自分自身も便利な生活に安住している矛盾も感じている。地球という星で生まれ、滅び、死んでゆくものを描いた。
私は、人類の進歩を否定したいわけではない。人類の進歩によって生まれた数々の文化や時代における人の暮らしの暖かさに魅力を感じている。しかし、進歩が速いがゆえにその暖かみは一瞬ですぎてしまうことが寂しいのだ。そして、どんなに優れた研究開発をしても、人間は自然に逆らうことが出来ず、滅びる方向に向かうのだろうと考える。終末的な世界でありながらも、その様子を絶望的に描くのではなく、懐かしさと愛おしさを感じる様子にしたいと思い制作をした。
手前にある陸上は逆光になるよう色彩のトーンを落として制作した。また、影を斜めに伸ばし夕方に見えるような描き方をしたが、あえて時間帯をはっきり決めないことで異空間を感じさせる画面にした。この手法はジョルジョデキリコの作品で描かれる影の使い方を参考にした。海を含めた小さなモチーフにも同じ空間に存在して居るように見せるため、色味を紫に近い形で統一感を出すように努めた。背景には窓ガラスの反射を入れ、この場所が巨大な温室空間であることを表現した。
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