武蔵野美術大学 油絵学科 編入試験 合格者作品。イギリスビクトリア調/アーツ・アンド・クラフツの古典的な感覚と、シュルレアリズム的な奇妙な感性が融合した作品です。
森は動いている
266×387㎜
画用紙 コピック 水彩色鉛筆
森は動いている。植物はゆっくりと変化し、あっという間に地面を覆いつくす。動物や昆虫を包み込み、無言で巨大なパワーを持っているように感じる。
シェイクスピアの劇曲「マクベス」に登場する魔女は『バーナムの森が進撃してこない限り安泰だ』という予言をした。私の心にはこの言葉がずっと残っている。実際に森が進撃してくることなどあり得ないが、私にとって森が動くという表現が腑に落ちる感覚であった。土地開拓や森林伐採で簡単に植物を刈り取ることが出来る。資源として、私たちの暮らしに活用しているが、人間がたった一人で森の中に迷い込めば無力だ。そして何百年、何千年後か、人類が滅んでも最初に再生するのはきっと植物である。生い茂る植物はやがて森となる。そして、ゆっくり変化をしながら森は動き続けるだろう。
私の制作はラフを描いている最中に、自分の考えや思いに気づくことでテーマが定まる。今回はラフを描いている際に、ふとマクベスに登場する魔女の言葉を思い出した。そして発想を展開させ、植物、動物、昆虫のゆっくりとした動きをデザイン的に構成した。神話では鳥が多く登場する。中でも聖鳥と呼ばれる鳥は神の象徴として考えられていた。真ん中のモチーフである人面鳥はそこから着想を得て、神の象徴とした。神である人面鳥は森に潜み、静かに人間を見守る。そして森が無言で生き続けている様子を眼のモチーフを用いて表現した。
266×387㎜
画用紙 コピック 水彩色鉛筆
森は動いている。植物はゆっくりと変化し、あっという間に地面を覆いつくす。動物や昆虫を包み込み、無言で巨大なパワーを持っているように感じる。
シェイクスピアの劇曲「マクベス」に登場する魔女は『バーナムの森が進撃してこない限り安泰だ』という予言をした。私の心にはこの言葉がずっと残っている。実際に森が進撃してくることなどあり得ないが、私にとって森が動くという表現が腑に落ちる感覚であった。土地開拓や森林伐採で簡単に植物を刈り取ることが出来る。資源として、私たちの暮らしに活用しているが、人間がたった一人で森の中に迷い込めば無力だ。そして何百年、何千年後か、人類が滅んでも最初に再生するのはきっと植物である。生い茂る植物はやがて森となる。そして、ゆっくり変化をしながら森は動き続けるだろう。
私の制作はラフを描いている最中に、自分の考えや思いに気づくことでテーマが定まる。今回はラフを描いている際に、ふとマクベスに登場する魔女の言葉を思い出した。そして発想を展開させ、植物、動物、昆虫のゆっくりとした動きをデザイン的に構成した。神話では鳥が多く登場する。中でも聖鳥と呼ばれる鳥は神の象徴として考えられていた。真ん中のモチーフである人面鳥はそこから着想を得て、神の象徴とした。神である人面鳥は森に潜み、静かに人間を見守る。そして森が無言で生き続けている様子を眼のモチーフを用いて表現した。
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