武蔵野美術大学 油絵学科 編入試験 合格者作品。小説の挿絵のような物語性を感じさせるモチーフを、緻密で繊細な描き込みで見事に表現しています。
混在する二人
297×470㎜
イラストボード コピック
善と悪は常に表裏一体で誰にでも内在するものであるが故に排除することも難しい。心の中には常に善良でなければという思いと、楽な方を選んだり、ズルをしたり、人を憎いと感じたり、誰しも悪の存在が同居している。良い人間で在りたいと思う反面、常に完璧で善良で居続けることは無理がある。悪は排除できない。自分の中にある悪を受け入れ、認めることで平穏に保てるのだ。自分の中に存在する悪人を観ないふりすれば、悪をコントロールできなくなる。これは、悪を見ないようにしている善良が結果的に悪に支配されかけている不穏な空気を表現した。
善と悪の対を表現するため、余白とベタを大胆に使用した画面作りを試みた。制作を進める上で、アールヌーヴォーの中でも鬼才と呼ばれたオーブリー・ビアズリーの作風に影響を受けた。木や植物が今にも動き出しそうな線の描き方に加え、背景のハッチングを縦方向に引くことで閉塞的で不穏な空気を演出するよう工夫した。
297×470㎜
イラストボード コピック
善と悪は常に表裏一体で誰にでも内在するものであるが故に排除することも難しい。心の中には常に善良でなければという思いと、楽な方を選んだり、ズルをしたり、人を憎いと感じたり、誰しも悪の存在が同居している。良い人間で在りたいと思う反面、常に完璧で善良で居続けることは無理がある。悪は排除できない。自分の中にある悪を受け入れ、認めることで平穏に保てるのだ。自分の中に存在する悪人を観ないふりすれば、悪をコントロールできなくなる。これは、悪を見ないようにしている善良が結果的に悪に支配されかけている不穏な空気を表現した。
善と悪の対を表現するため、余白とベタを大胆に使用した画面作りを試みた。制作を進める上で、アールヌーヴォーの中でも鬼才と呼ばれたオーブリー・ビアズリーの作風に影響を受けた。木や植物が今にも動き出しそうな線の描き方に加え、背景のハッチングを縦方向に引くことで閉塞的で不穏な空気を演出するよう工夫した。
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