参考作品集 大学院 藝大GA

大学院入試 参考作品

美大の大学院入試へ合格した当塾在籍生が制作した作品集(一部抜粋)です。アート性の高い自主制作作品プロデュースと出願・面接を重視する受験対策で、大学院入試で高い合格実績。下記項目別のリンク先でまとめて閲覧できます。
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当塾より東京藝術大学 大学院 国際芸術創造科に合格した受験生が制作した論文です。美術大学ではない一般大学の卒業から日本の芸術大学・美術大学の圧倒的最高峰、しかも非常に難度の高い「大学院入試」を目指し、豊富な経験と優れた知見に基づいた優れた研究内容で見事合格を果たしました。
今日、現代アートの持つ価値とはどのようなものであるのか。それは「繰り返すことのない刹那」をもたらすということである。日常が機械化され、量産化していく「有」の時代に、コピーすることのできない不確かな「無」の体験を生み出せることが現代アートの価値である。

日本はそもそも、目に見えない文化が息づく国だ。「おもてなし」や「心意気」という、モノや動作の先にある人々の思いを尊重し、他者の思いを味わい返礼することを美としてきた。例えば、関西の居酒屋では30年前まで「流し」という文化があった。歌い手がギターを片手に居酒屋に飛び込みで訪れ、客のリクエストに合わせて歌をうたい、客はそのパフォーマンスに見合ったお金を自由に払うというものだ。そこには、歌を通してお酒の席を彩りたい、自分の歌声を聴いてもらいたいという気概と、それを感じ取り激励する居酒屋と客とのおおらかな心の交流があったからこそ成り立つものであった。

それが、1984年に12㎝型のCDが販売され始め 、家庭で手軽にいつでも聞ける便利さの裏で、その姿を消してしまった。科学技術の発展と国際競争の波の中で効率化、合理化、実質化の要求が高まり、体験すらも画面の中で解決できる今、流しが消えてしまったように、人と面と向かう意志疎通の場は失われつつある。そして、本来日本人が持ち合わせている「心意気」を感じる機会が減り、結果として他者への無関心や社会との隙間という孤独感が蔓延し始めている。

そんな日本の抱える問題を、現代アートとは解決しようとしている。モノに捉われない体験をもたらすことで、人々の心意気を映し出すアートがある。作家自身が作品を作るのではなく、人々を巻き込むことを軸とする国外の現代アートの事例から、それらがどのような効果を生み出したのかを調査した。

ロシア出身のメディアアーティストであるカロリーナ・ブレグーワは、2016年に<WHO’S THERE>という映像作品を発表した。これは、ワルシャワのとあるマンション団地を舞台に、その住民と共に制作したものである。住民と話し合いながら作品のコンセプトを決め、出演者も全員住民という地域密着型の作品で、3日で1つのエピソードを完成させ、すぐに団地の広場で上映するということを約3週間に渡って行った。映画の観覧は自由であったが、映像を撮り続けるうちに観覧者が徐々に増えていき、出演していない団地の人々も広場に集まるようになった。

そして、作品の出演や広場での上映をきっかけに隣人を知るきっかけとなった。それだけでなく、表情の演技をしたり、抽象的なセリフを唱えるというぎこちない隣人の姿に親近感が沸き、お互いの距離を縮められたことで団地での生活が豊かになったという住民からの反響もあった 。密でリアルな人々の繋がりを通して、その地域の価値を住民自身が新たに創造したことを彼女のアート活動は証明している。また、彼女自身はこのような効果を意図したわけでなく、住民との共同作業の中で偶発的に繋がりが出来上がる過程を目の当たりにし、不特定多数を巻き込んだアートの社会的意味を考えるきっかけとなった。

(中略)

これらの現代アート作品に共通しているのは、多くの人が引き寄せられるように自発的に参加しているということである。参加費が発生するわけでもなく、粗品がもらえるわけでもない。人々は実利的な目的や意図のためではなく、「創作活動を手伝いたい」、「新しい誰かと出会えるかもしれない」、「誰がどんなことをしているのか気になる」、「誰かと一緒に作業することで新たな居場所を見つけたい」というような思いで時間を割いて集っているのだ。これは、他者との関わりに関心を抱かせ、粋な心持ちを行動に移させる現代アートの見えない価値であり、その時々の交流はまたとして起こり得ない一瞬の価値として人々を惹きつけるのである。

日本における企業メセナの実態から、文化芸術事業のフィードバックと波及効果を企業の利益と関連付けながら、体系的に分析し証明していくことは、今後アート活動の支援を広げ強固にしていくためにも早急に解決しなければならない問題である。その際、投資価値として捉えられ難い、モノではない現代アート活動が、今日において人々を動かしうるほどの潜在的興味や関心を誘発するという点は一つのメリットとして機能するはずである。

そして、そのメリットを企業のどのような側面と関連付け、自発的なコミッションワークとして成立させていくのかも今後研究していかなければならない。企業の文化芸術支援活動が掲げる「社会還元」という大義は、単なる概念的な慈善ポリシーとして完結してはならない。アートをパートナーとして捉え、モノに溢れかえる「有」の時代に心意気という「無」の価値を見出す挑戦的な創造活動を行ってはじめて、社会を構成する人々の心の隙間を埋めるスタートラインに立てたと言えるのではないだろうか。
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