大学数の増加が時代を変えた
なぜ、標準レベルなら大学進学できるようにになってしまったのか?その答えは「大学数の増加」にあります。今度もまた、文部科学省のデータをグラフ化しました。
大学進学を望む受験生が多くても、大学数が少ないうちは「競争率が上がる」だけです。現在のように競争率の低い状態になったのは、受験生の受け入れ先である「大学数の増加」が大きく影響しました。
1960年〜1985年:215校増加
1960年〜1985年の25年間で、大学の数は215校増加しました。これは第一次・第二次ベビーブーム世代の18歳人口増加に合わせた動きで、実際に増える人口を受け入れる教育機関が必要となったという合理的な理由があります。
1985年〜2010年:318校増加
1985年〜2010年の25年間で、大学数は318校増加。1990年代以降に18歳人口の減少が確定しているのに、1960年〜1985年の25年間を上回るペースで大学数が大きく増えてしまったのです。これが大学のレベル低下を招きました。
レベル維持のためには、減らすべきだった…
大学の「高等教育」「最高学府」としての価値を維持することを優先するのなら、1990年代の18歳人口減少に合わせ、大学の数は減らすべきでした。しかし現実的には、一度認可した大学を閉校させるのは非常に難しいのです。
これが1990年以前(第二次ベビーブーム世代以前)の大学受験のあり方と、現在の大学受験のあり方を大きく変えてしまう原因となりました。
昔の大学受験のセオリーは通用しない!
現在の大学受験世代の保護者は「1990年以前(第二次ベビーブーム世代以前)の大学受験」を経験した世代が大半です。しかし時代は変わり、大学数の増加が保護者が体験してきた受験のセオリーを通用させなくしてしまいました。
大学数の増加はレベルの低い大学を増やしてしまいました。そんな時代に社会的にちゃんと評価される大学へご自分のお子様を進学させ、就職活動で不利にならないようにすることが、受験生の将来に最大の価値をもたらします。