大学に行くのが標準レベル
前の記事のグラフに、「20%を表す線(赤い折れ線グラフ)」を重ねました。
1960年代:上位20%でも大学へ行けない人がいた
1960年代。大学入学者を表すオレンジ色の棒グラフが、赤い線に届きません。この時代は優秀でも大学に進学できない人たちが多くいました。
この時代は、今の日本を代表する大企業(ソニー・ホンダ・トヨタ等)が大きく成長した時代です。中卒や高卒で早く就職し働く。過去の日本の繁栄を支える基盤は、そのような社会背景があったといえます。
1970年代:上位20%が大学へ行けるようになった
1970年代初頭で大学入学者と上位20%を示す赤い線が交差。大学入学者の数が上位20%の数を上回ります。この後ずっと大学入学者の数が上位20%の数を上回りますが、1990年代初頭までは「端数」のような状態です。
1990年代:大学進学者数が急速に上昇
1990年代初頭。急激に大学入学者数が上位20%を大きく上回ります。1960-70年代ほどの上位20%に入るための多大な努力や辛い苦労をしなくても大学進学できるようになったといえるでしょう。
2010年代:標準レベルなら大学進学できる
2015年は18歳人口の半分以上が大学へ進学しています。「標準レベル」であれば大学に行く時代です。昔よりも随分と楽ではありますが、問題は「就職活動」で生じます。入学した大学によっては就職が難しくなる例が出てきています。
有力企業は優秀な大卒生を求めます(いわゆる「学歴社会」の正体です。後述)。さてそれでは、なぜ昔は上位20%が行っていたはずの大学に、標準レベルの学生が行くようになってしまったのかを次の記事で解説します。