
高校卒業者数は50年前と同じ
今度は「高校卒業者(=大学受験可能な18歳)」の推移を確認します(文部科学省の統計データ)。
1962年:102万人
1962年の高校等卒業者数は「102万人」。この年の18歳人口は197万人なので、その高校進学率は50%程度です。中卒で就職した例もかなり多かったのでしょう。この後、高校等卒業者数は急上昇します。
1968年:160万人
1968年の高校等卒業者数は大きく上昇し、「160万人」。第一次ベビーブーム世代(団塊の世代)の高校卒業時期で、18歳人口は250万人程度。高校進学率は、1962年に比べ14%増の64%でした。
1992年:181万人
1992年の高校等卒業者数は「181万人」。第二次ベビーブーム世代です。18歳人口は205万人で高校進学率は「88%」、ほとんどが義務教育後に高校進学しました。しかしこの後、高校等卒業者数は少子化で減少の一途をたどります。
2015年:107万人
統計が判明している最新年、2015年の高校等卒業者数は「107万人」(50年前の1962年とあまり変わらない数字)。18歳人口は120万人で89%近くが高卒。なお、そのうち半分以上(52%)の62万人が大学進学しています。
少子化が大学受験の現実を変えた
1962年の時点では大学進学者数が16万人、15%の大学進学率。高校卒業者数が50年前とさほど変わらないのに、大学進学率は40%近くも上昇している。これが現在の大学受験(一般大学・美大にかかわらず)の現状です。
このような状態では、「大卒」の希少性は随分薄れます。昨今エリートのはずの旧帝大・早慶・MARCHレベルの大学生の反社会的な問題行動が報じられるのは、このような社会全体・教育の大きな変化が一因としてあるといえます。