自己実現が価値をもたらす
当塾には、本当に様々な経歴の方がアクセスしてきます。その中で、現在されているご自分の仕事に対して疑問が生じたり、自分自身の人生を考えた結果美術を目指すことを決意された方が毎年何人もいらっしゃいます。
自己実現のベクトルに添う行動をとり続けた時にこそ、「価値」が最大限に増大するものだと、私は考えています。だから、美大学へ行くことが自己実現のベクトルに沿っていると判断した方については、積極的に美大受験をお勧めしています。
例えば、一杯のコーヒー。それが立て続けに出された5杯目のコーヒーなら、あまり美味しいと思わないでしょう。しかし、何時間ものデスクワークの最中にさりげなく淹れてくれた一杯のコーヒーなら、その価値は計り知れないはずです。
人間は、自分の認識によって、価値を増減させることができるのです。だからこそ、自分が望み、納得のいく方向に進み続けることが大きな価値を生み出すことになるのです。
人間の心の中というものは、世間一般的な価値観は対して影響を与えることはできません。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。やりたいことはどんなことでもやりたいし、やりたくないことは絶対にやりたくないものなのです。
やりたいことだけをやり続けるなんて、ワガママではないのか?と。しかし、ワガママと自己実現は大きく異なります。実力と説得力を伴った時には、大きな価値を生み出すのです。
アップル社のスティーブ・ジョブズがそうでした。ちょっと調べれば、彼のワガママな行動・言動のエピソードがいくらでも出てきます。しかしスティーブ・ジョブズは、iphoneを開発したことで、21世紀の世界に絶大な影響をもたらしました(例)。
私は、ワガママでいい、と言っているわけではないのです。
実力と説得が伴わないのは、本当にただのワガママです。しかし、自分の意思に実力と説得力を伴わせ、それを表現することで社会に価値をもたらせば、それは「自己実現」であり、自分に対しても社会に対しても価値を最大に増大させるのです。
それがそのまま、アートの世界です。個性と独創性に満ち、実力と説得力が伴ったアートは高く評価されます。アートは自己実現であり、自己実現は承認欲求も自動的に満たしていく世界なのです。