ビジネスチャンスを探す
今、周りを見回してみてください。いろいろなものが目に入ってくると思います。さて、目に入ってくるもの一つ一つについて、美術がどれだけ関わっているかを考えてみましょう。
どうでしょうか?広大な大自然の中でこのページを読んでいる方は別として、目に入ってくるもの全てが美術に関わっていたのではないでしょうか?
例えば椅子はプロダクトデザインです。部屋の内装はインテリアデザイン。服はファッションデザイン。スマホの画面はインターフェイスデザイン。看板やポスターはグラフィックデザイン......。美術が関わらないものを探す方が難しいのです。
社会人で美大受験を目指す方は、ビジネスの世界にいったん足を踏み入れた方々です。資本主義・経済主導の世の中で、自分は美術なんてやっていいのだろうか......などと思ったとしたら、大きなビジネスチャンスを失うことになります。
美術ほど、我々の実生活に直接かかわっている分野は、実は珍しいのです。
例えば一般人が法律をに接するのは、交通違反をした時や相続などの時くらいです。保険は、怪我をした時だけ。報道は、見ている時だけ。先生は学校に行っている時だけ......しかし美術は、日常のほぼ全ての場面でそこにあるのです。
そういう意味では、美術のビジネスチャンスは、どこにでもあるのです。昔は美術といえば美術館の中に存在するイメージでしたが、今の時代は違います。美術は日常の中に浸透し、我々の生活を豊かに彩っているのです。
私は、美術の世界は大きく誤解されていると思っています。美術の世界の中にでさえ、未だに「美術は美術館の中に存在するもの」という視点でしか考えることができない美術家が存在しているくらいです。
だからこそ、社会人の皆さんは、ビジネスを経験した人間の視点を持ったまま、積極的に美術の世界に切り込んでいく価値があるのです。
今はまだ、美術の世界にビジネス的な観点を持ち込むことのできる人材は少ない状態です。つまり、社会人で美大受験を志すみなさんは「希少価値のある人材」となりうるし、美術の世界に切り込んでいくことは大きなビジネスチャンスなのです。
美術が当たり前になり、身の回りに「美しいもの」「素晴らしいもの」が満ち溢れている21世紀。それが、現代なのです。