一般入試は浪人生が有利
美術の世界で一番高く評価されるものは「個性」と「独創性」です。なぜ「個性」「独創性」が高い評価を得られるかというと、それが「希少価値」だからです。数の少ないものには、大きな価値が出ます。いわば、ゲームのガチャでいうレアキャラが、その良い例です。
「レア」は「珍しい」という意味ですが、ただ珍しいだけではちゃんとした価値は生まれません。実力が伴っているからこそ、みんなから欲しがられます。美術の世界は、そのような存在を目指していく世界なのです。
特に、テクニック面での実力の差がつきにくい現役高校3年生においては、個性や独創性をアピールしやすい推薦入試を受験することは、美大受験のモチベーションを上げるきっかけともなります。
現役生が1年間で得られるテクニックを「10」とします。浪人生は約2倍の授業時間で受験対策をするので、1年間で得られるテクニックは「20」です。現役のころから換算すると「10+20=30」、浪人生は現役生の3倍のテクニックを持っていることになります。
つまり、テクニック重視の一般入試では浪人生が現役生よりも3倍も有利となっているのです。しかし、総合型選抜ではそれは関係ありません。一般入試がテクニック重視の方針だからこそ、総合型選抜では全く違った方針で受験生の実力をを見極めようとしているのです。