自分で制作した作品に対して講評を受けることは、大きな人間的成長をもたらします。
講評とは、先生が制作した作品について「ここをこうすればもっと良くなるのではないか」「このように考えてみたらもっとうまくいくのではないか」ということを伝えることでもあります。
講評で伝えられる言葉は、批判や批評ではありません。講評をネガティブに捉えてしまっている受験生は、講評は受験生の成長を促すのものである、ということをしっかりと思い出してください。
先生という職業は、受験生を成長させるための役割を持っています。本来は自由な世界であるアートの世界で敢えて「先生」として講評をするのは、その役割を担うことによって、受験生を成長させることができるからに他なりません。
アートの世界では、価値を測る基準は常に作品にあります。人柄でも、性格でもありません。だからこそ、美大受験の「先生」は、受験生が作品だけで良い評価を得られるように必要なことを受験生に伝えていくのです。
それが、講評です。
授業の時間は、成長する時間であることが理想です。1回の授業90分間の全ての時間を使って講評を受けることは、受験生の大きな成長を促します。マンツーマンで指導を受けていれば、90分という時間を必ず「成長の時間」にすることができます。
その意味では、作品制作する時間は自宅でとるので十分だといえます。作品制作は、自分自身と向き合い、自分自身を掘り下げていくことでもあります。だから自宅で、自分の好きな環境で、自由にのびのびと作品制作をすれば良いのです。
そして、そうやって制作した作品を教室に持ってきて、自分自身の成長のために90分間の講評を聞く。そして、講評で言われたことをヒントとして、また自宅で作品制作を行い、自分自身を掘り下げていく。
これを繰り返していけば、自然と実力は高まり、志望校合格にもどんどん近づいていくことになります。
そして、しっかりと成長を重ねていく人間は、大学受験のみならず、就職でも、ビジネスのキャリアアップでも、誰からも求められ評価される人間になれるのです。