私は長年美大受験の世界にいて、様々な美大受験生をみてきました。おそらく、その数は2~3千人に上ると思います。そして、その受験生みんなについて共通して言える、たった1つのことがあります。それは、
「誰にでも必ず何らかの才能がある」
ということです。
「でも私は絵がうまく描けない」などと反論する方もいらっしゃるかもしれません。でもそれはたいてい、才能がないことが理由ではないのです。
本当の理由は、「努力の方向性が間違っている」もしくは、「ただ単にやっていない」のどちらかなのです。
このうち、「ただ単にやっていない」というのは、実は案外多いのです。(「努力の方向性が間違っている」についてはリンク先をお読みください)
なかなか実力の上がらない受験生にプラベートで時間の使い方を尋ねると、たいてい1日のうちに2時間〜3時間は無駄にしている時間がたくさん出てきます。ぼぉーっとしていたり、別に見なくてもいいものをなんとなく見ていたり ......。
実力が上がっていく受験生の多くは、そういう無駄になってしまいそうな時間を、自分の得意なことに費やします。自分が伸ばしたい分野、苦手を克服したい分野、そういったものに空いた時間を効率良く費やしていくのです。
そして、この「空いた時間」の使い方が「自分の才能」とうまく合致した時に人間は驚くほどの成長を見せます。美大受験のような個性を重視する世界では、その「自分の才能」を適切に表現することができれば、十分評価されるのです。
つまり美大受験生の皆さんが今すぐにやるべきことは、「自分がどのような才能を持っているのか」に気づき、空き時間をそこに費やすことなのです。もし自分で気づけていなくても、大丈夫。それを指摘するのが「先生」の役目なのですから。
自分の才能に気づかず、あるいは誰からも指摘されず、だた悶々と受験に向かってしまってはいませんか?ちゃんと見るべき人が見れば、人の才能を見抜くのは、それほど難しいことではありません。
少なくとも私は、断言できます。今まで2〜3千人の美大受験生をみてきた中で、「誰にでも必ず何らかの才能がある」ということは間違いなかったのですから。