2浪・3浪は当たり前ではない
美大受験のイメージとして、「2浪・3浪当たり前」があります。しかし、この言葉は少子化と大学数・学部数の増加により完全に崩れてしまいました。
「25年前」に通用していたイメージ
確かに25年以上前までは受験生人口が多く「2浪・3浪当たり前」でした。少ない美大の定員に多くの美大受験生が集中したので競争率が高かったのです。なお当時日本一倍率が高いの「東京大学」ではなく「東京芸術大学」でした。
この頃は、高い実力に裏打ちされた個性的な受験生だけが美大に合格できていました(これについては、一般大学受験についても同じ条件です)。
浪人生は受験対策の時間が長い!
通例、高校生は「平日5日間:1日3時間」の美大受験対策を行います。朝から夕方までの高校の授業の後「17:00〜20:00」の3時間受験対策をする、というのが一般的です(それ以上は高校生活に負担になる可能性があります)。
浪人生は、朝から夕方まで約「6時間(例:9時-5時)」で受験対策します。意欲的ならその後の「3時間(例:5時-8時)」をさらに勉強に充てます。だから現役生に比べ2倍〜3倍の受験対策ができ、これが浪人生の実力の高さの根拠でした。
グラフで考えてみると…
美大への合格レベルが「100」の実力とします。現役1年間で身につける実力が「15」なら、現役・1浪と2年間受験対策して身につく実力は、浪人の受験対策時間を2倍にして計算するので15(現役)+30(1浪)=「45」です。
2浪なら、15(現役)+30(1浪)+30(2浪)=「75」。そして、3浪なら15(現役)+30(1浪)+30(2浪)+30(3浪)=「105」。ちゃん受験対策すれば、3浪すれば合格に足る実力(100)を身につけられたのです。
もし意欲的に受験対策したら、浪人の受験対策時間は現役の時の3倍。1浪で15(現役)+45(1浪)=「60」、2浪で15(現役)+45(1浪)+45(2浪)=「105」。2浪で合格に必要なレベルを上回ることも可能だったのです。
でも、これはもう昔の話。現在は…
これが美大受験「2浪・3浪当たり前」のイメージの正体「でした」・・・・・・そう、このイメージはもう、とっくの昔に過去のことになってしまったのです。それでは、現在はどうなっているのでしょうか。