はじめに
当塾では、10年以上前から社会人の方の美大受験を積極的にサポートしてきました。20代半ばの若年層からアカデミックな教育を求める意欲的な60代の方まで、様々なタイプの方が美大受験を目指し、そしてほとんどの方が志望校に合格して美大に入学しています。
個人的な感触として、社会人の方の美大受験は、昔よりも増えてきていると感じています。日本では大学というと高校卒業後に行くところ、というイメージがまだ強いのですが、今後は大きく変わってくるのではないでしょうか。
どのような時代であっても、社会全体の流れが、ひとりひとりの人間に大きな影響を及ぼしています。カメラが発明されたことで具象表現から抽象表現への道が開かれたように、アートの世界も社会やテクノロジーの影響を受けています。
アートの世界は個性や独創性を重視していますが、決して「個人」だけで表現が成り立っている世界ではないのです。表現の基本となる「個人」が常に社会とつながっている限り、影響は受け続けていきます。
例えば、少子高齢社会。平均寿命が延び、自分の人生の時間はいわゆる「定年」後も長くなってきています。政治や経済については様々に議論され、注目もされていますが、美術の世界においても少子高齢化が大きな影響を与えようとしています。
そのほか、サイエンス、テクノロジーなど、美術の世界に影響を与えうるものを考えていったら、きりがありません。
私は、毎年様々な分野の美大受験を担当しています。編入学試験や大学院入試においても、ビジネスと関連性の高いデザイン・映像・芸術学の分野だけでなく、油絵・彫刻などのファイン系など、全ての分野で十分合格の余地があります。
そのような経緯から、常に様々な分野の情報を集め、どのような受験生の方が問い合わせてきても対応できるように心がけています。そして、そのように様々な情報に接してきているからこそ、見えてきた「流れ」のようなものがあります。
美大受験の現状は、20年前とは大きく異なってきているし、この先、大きく変わっていくことが予想されます。その大きな流れの一つが、「社会人の美大受験」の流れです。
私は、常に幅広く美大受験を見渡してきたからこそ、社会人の方の美大受験を積極的にお勧めいたします。その理由は、このコンテンツの中で明らかにしていくつもりです。ぜひお読みいただければと思います。