建築学科 鉛筆デッサン
鉛筆デッサン(3時間)
与えられた条件やモチーフを構成・想定しながらデッサンする。
与えられた条件やモチーフを構成・想定しながらデッサンする。
武蔵野美術大学の建築学科のデッサンは、与えられたモチーフを与えられた条件の中で想定・構成しながらデッサンを行う「構成・想定デッサン」となっています。想像を交えながら描くものの、他学科のデザイン系デッサンと同じく「写実性重視」のデザイン系デッサンです。
「写実性重視」ですから、想像したものを写実性・物理法則に基づいて想定・構成してデッサンする必要があります。いわゆる「絵画」とはことなり、自分自身の特有の感性に従って形や色味を変えてしまうことは評価を低めてしまう結果となります。
「写実性重視」ということは「写真のように描く」ということですから、デッサンテクニック・スキルを持つことが有利です。長い経験を積みより多くのデッサンテクニック・スキルを身につけている受験生、つまり浪人生ほど有利で現役生は不利になる傾向です。
これは、「美大受験は2浪・3浪当たり前」と言われていた80-90年代の傾向をそのまま引き継いでいるものです。2浪・3浪して高度なデッサンテクニック・スキルを土台として、その上に個性が発揮できた時代のやり方が未だに引き継がれているのです。
このことから、デッサンの一番の対策は、できるだけ早く受験対策を開始し、できるだけ多くのデッサンを描く、ということになります。高校生活が前提となる現役生にとっては厳しい条件ですが、これをクリアできるかどうかで実力が大きく変わってきます。
なお、当塾ではこの傾向に問題意識を感じています。時代は変わり、アート・デザインの情報が多く入手でき、身の回りに優れた造形が溢れている現代では、現役生が著しく不利となるテクニック勝負のデッサンで受験する必要性が薄れていると感じています。
このことから、当塾では空デを受験する方には、一般入試に加えて、「アイデア」「情報力」「発想力」「個性」で勝負することができる推薦入試(総合型選抜)で受験することを推奨しています。一般入試は、推薦入試が不合格だった場合の保険程度に考えたほうが現実的なのです。
当塾ではここ何年も、才能・能力のある受験生はまず推薦入試で合格し、実力の低い受験生が推薦入試に合格できず一般入試受験するという傾向が続いています。推薦入試対策は身の回りにある建築の研究や分析が課題の中心となるので、とても面白い受験対策になります。