油絵・映像・空間演出デザインの比率が高い
正確な入試傾向を把握するために7年間の累計データを1枚の円グラフにしました(視覚伝達デザイン学科は推薦入試の実施がないので、グラフに表示されていません)。志願者数をグラフの基準にしているので、どの学科に人気が集中しているかがよくわかります。
特に、志願者が多い「油絵」「空間演出デザイン」「映像」の3学科は、合格を狙うのはかなり難しくなっています。
油絵学科について
油絵学科の志願者数が多いのは、推薦入試が「今まで制作してきた作品」をちゃんと評価する入試内容だからです。ただし、皆が同じ課題で制作をするような、集団指導の美大予備校で制作した画一化した作品のポートフォリオが「個性」として評価されるとは思えません。それが合格率が低い理由だと思われます。
本気で推薦入試を狙うのであれば、受験生の個性と独自性を伸ばせような個別の指導を受けて制作した作品をポートフォリオの中心としたほうがよいでしょう。
空間演出デザイン学科について
一般入試での出題である平面構成では自分のやりたいこと・得意なことが出し辛いと感じている受験生にとっては非常に良いチャンスだといえます。ファッションや空間演出に興味のある受験生であれば、自主的に制作した作品を持ち込める良い機会です。
ただし、グラフに現れている通り志願者が多いので、できるだけ長い時間をかけて受験対策を行い、制作した作品のクオリティをどんどん高いものにしていく必要があります。入試時期が近づいてからではなく、長期的視野での受験対策を検討することをお勧めします。
映像学科について
「映像」と「グラフィックデザイン」との境目がどんどん曖昧になってきています。昨今の映像関連のテクノロジーと表現力の向上は特筆すべきものがあるので、人気が出てくるのも当然だといえるでしょう。
グラフィックデザインと映像との区別がつかず、なんとなく競争率の非常に高いグラフィック分野を目指して受験に失敗してしまう受験生もいるようです。本当にやりたいことが映像であるのならば、映像学科の推薦入試受験を検討する価値は十分にあります。