
以下の指導内容は、授業時間60分の途中の「3分間」の時間の中で、どれだけの内容の講評が行われたのかを、抜き書きしたものです。(読みやすくわかりやすい部分の抜粋です)
実際の授業時間は60分なので、実際には、この20倍近くの情報量を、一回の指導で提供することになります。現在、他予備校に通われている方は、ご自分がそこで受けている講評の内容を思い出して下さい。
他予備校で受ける1週間〜2週間分の指導内容に値する豊富な情報量が、当塾の1回の授業にぎっしりと詰まっているということを、ご理解いただけます。
制作時間や演習時間は一切、授業時間の中に含まれていません。講評だけで、60分。それが、当塾の「完全個別指導」です。
講師:
これって、どこから見た視点?この階(3階)から見た吹き抜け?
生徒:
そうです。
講師:
下から見て欲しいなぁ...吹き抜けなら。だって、吹き抜けって、そうじゃない?1階から上を見上げてみた時に感動するものですよね?それをわざわざ2階や3階から見てしまったら、開放感がなくなってしまうんですよ。
生徒:
あー...なるほど。
講師:
この図、海に浮いている絵だよね?なんか、机の上に大工さんの使うカンナが乗っかっているように見えてしまうんだよね...。
だから、こういうところに、もっと「海っぽさ」を努力をしてくれるといいと思うんだよね。ただの白紙で済ませてしまうのではなく。
ああ、ここらへんに波があるなー、とか、この辺りは波がぶつかって波しぶきが上がってるなー、とか、そんな風に考えながら、なんとなく鉛筆を動かしているだけでも、結構「海っぽさ」は出来上がってくるものなんだ。
やっぱり、美大を目指す受験生なんだから、デッサンの概念をしっかり感じさせてやらないと...。
生徒:
デッサンの概念?
講師:
塗りが同じということは、平面に見えてしまうということなんだよ。でも、海は平面じゃないし、海という有機的な流れの中にこの無機的な建造物が建っている、ということで、対比(コントラスト)になるものなんだよ。
(今まで講評していた部分とは別の箇所を指し示しながら)
講師:
結局、これも、全部いわゆる漫画的表現になってしまっているんですよね。確かに、イラストレーションも美術の一種だし、漫画も美術の一種だといえるところもあるんだけれども、一応アカデミックというか......大学で美術を学ぶ、ということで大切なのは、漫画的要素に加え、デッサン的要素。それをポイントでいいんだけれども、見せてあげるといいんですよ。
せっかく今までデッサンをやってきているんだから、もう少し、こう、造形力を見せてあげて欲しい。建築の場合は、やはり、造形力が大切。
だから例えば、こうやって漫画的にやってしまうよりも、この縦の面、デッサン的には、陰が出来るはず。だから、そういうところを意識して描いてやると、「ちゃんとデッサンの対策をしてきたんだな」ということのアピールになるんですよ。
(以下、講師が画面内に描き加えながら)
講師:
構造物を見る時に、パーツの重要性を意識して欲しいんですよね。こういうパーツで組み上げられているんだな、という、そういう部分へのこだわり。人間が組み上げた物だからこそ、そういうところに「こだわってます」というところを見せて欲しいんですよ。
だから、こういうところの細部の際の所を、ただの直線で済ませるのでなくて。この接合部分、ここのところは、柔らかいものの上に硬いものが乗っている訳だから、こんなに直線になる訳がない。こういうところをちゃんと見て、出来る影に変化を付けてあげないと、そういう風に見えないんですよ。
ここをこうやって......ここの所は、柔らかいものが接しているんだから、こんな風になっているんだぞ......と意識しながら手を動かしていくだけで......ほら、こんなに変わってくるんですよ。
(以上で3分間。授業時間全てだと、この20倍。とても充実した指導内容です)