近年、いわゆる「実技(絵を描く)」が入学試験では課されず、小論文のみで受験できる学科が増えてきています。
特に、昔からそのような傾向を持っていたのは、芸術学系の学科です。
美術業界を目指す人の殆どは、ものづくりをすることへの情熱はあるのですが、「作品をどのようにプロモーションしたらよいか」ということへの情熱は欠けている場合が多いといえます。
その意味では、芸術学系学科を目指す受験生の方が美術業界の中に入り込み、企業家としてアートプロモーションを行う価値は大いにあります。
現在アートのプロモーションを行っている人たちの多くは「アートの世界に愛情を持っているが、プロモーション力に欠ける人(=美大卒に多い)」「アートの世界にはあまり愛情や理解を持っておらず(アートはお金を稼ぐ手段)、プロモーション力に優れた人(=一般大卒に多い)」のどちらかになってしまっており、両極端な状態になってしまっている傾向が強いといえるからです。
そのような現状だからこそ、芸術学系学科を目指す受験生のみなさんが将来「アートの世界に愛情と理解を持ち、しかもプロモーション力に優れた」社会企業家になっていただけるとすれば、美術業界にとっても、一般社会にとっても、もちろん受験生の方ご本人にとっても、大きな価値を持つことになると思います。
東京の芸術学系の学科には、例えば以下のようなものがあります。
- 東京芸術大学 美術学部 芸術学科
- 多摩美術大学 美術学部 芸術学科
- 武蔵野美術大学 造形学部 芸術文化学科
- 女子美術大学 アート・デザイン表現学科 アートプロデュース表現領域
これらの学科は、将来の美術業界にとって存在意義の大きくなる可能性を秘めている学科だといえるのです。