合格実績
多摩美術大学 絵画学科油画専攻 帰国生入試 現役生
この受験生は、多摩美術大学絵画学科油画専攻に帰国生入試で合格しました。同学科は帰国生入試で合格する受験生がとても少ない学科なのですが、見事合格を勝ち取りました。当塾の個性・独創性重視の個別指導が大きく功を奏した事例です。
美大を受験される帰国生の中に、「日本の美術の授業がみんな同じような絵を描くやり方だから、それが嫌で海外の高校へ行った」という方が多くいらっしゃいます。確かにこれはその通りで、日本の高校・美大予備校の教育のあり方が抱える欠点ともいえます。
多くの高校の美術の授業や美大予備校では、集団指導で同一カリキュラムの授業を行います。そのため、みんな同じような画風になってしまいます。また、ある人の作品が褒められると、みんながそれを真似する、といった事も多く起こります。
さらに、「絵の描き方」「画風」を最初から指定し、それ以外のやり方を排除しようとするようなやり方をとる先生もいます。美大予備校は教育機関であると同時にビジネスでもあります。大勢の受験生に対応するには、それが効率が最もよくなるやり方なのです。
この受験生の場合は、そういった日本の美術教育が持つ欠点である作風の「均質化・同一化」に疑問を持ち、当塾の個別指導を選びました。留学前に進路相談し、留学後すぐにスカイプでの授業を開始、週1回のペースで年度当初からずっと受験対策をし続けました。
この受験生は、アーティストとしての多くの素晴らしい素質を持っていました。作風の均質化に疑問を持った事もそうだったのですが、志願先も自分が直感的に「行きたい!!」と思った多摩美術大学だけに絞り、徹底して同大学への受験対策を行ったのです。
多摩美・武蔵美は双方に同じような学科・専攻がありますが、やはり大学のカラーというものがあります。受験校を増やすことは、対策内容が増えることに繋がります。時間が限られている中で対策内容を増やすと、ひとつひとつが中途半端になってしまうのです。
そこを自分自身で絞り込み、当塾個別指導の「個性・独創性重視」の方針を全面的に信頼し、留学先での受験対策をずっと継続的に行いました。留学先高校の美術の授業で制作した作品も独創的になり、昔ながらの美大受験生らしい「強い個性」を獲得しました。
帰国生入試は、多くの場合留学生入試と同じ教室で行われます。試験当日、この受験生は、外国人留学生の多くが日本人が描く作風と同じような、似たような絵ばかりを描いているのを見て、驚いたそうです。これは明らかに、「日本の美大予備校に通った外国人留学生」です。
でも、自分の作風と、自分のアーティストとしての感性を信じ、試験自体を楽しむように実技試験に取り組みました。自分だけが違う作風の絵を描いていることを恐れず、大胆に自分のやり方で絵を描き続け、受験対策で獲得した「強い個性」を発揮したのです。
その姿を、教授の方々はちゃんと見てくださっていたようです。面接の時に、「あなたの描き方、とても良いよ。そのままずっとやり続けてね」と、おっしゃられたそうです。これは、公式の大学入試の面接としては、とても珍しい発言だと思います。
教授の方々に自分のやり方を褒められて、とても嬉しかったそうです。美術の世界は「個性」と「独創性」の世界です。美大の教授の方々は、ちゃんとそれを見てくださっているのです。
「個性」と「独創性」は、帰国生の大きな強みです。なぜなら、他の日本在住の受験生では体験できない世界を、留学先で体験しているからです。だからこそ、留学中から個性・独創性重視の受験対策を始めることに大きな意義があることが証明された事例でした。