美大受験の出題内容
美大受験をする受験生は、何らかの形で「専門実技」の作品を作る対策をすることになります。
志望大学や目指す学科によってその内容は様々に変わってきます。
油絵、デッサンなどはなんとなくイメージできるかもしれませんが、「平面構成」「立体構成」「感覚テスト」などは、はじめて美大受験をする受験生にとっては、それがどんなものかイメージしづらいはずですし、「小論文」のように一般大学の入試で出題される入試内容でも、求められてくるものが大きく違ってきたりします。
以下では、志望学科別に、対策するべき入試内容を大雑把に説明していきます。
デザイン系
平面系:グラフィック、テキスタイル、情報系など
デッサン
鉛筆でのデッサンです。与えられたモチーフをそのまま描く課題もありますが、与えられたモチーフを自分で組み合わせたり、手を組み合わせたりして、それをデッサンという形で描画させる課題が多いといえるでしょう。
平面構成・色彩構成
アクリル絵具や透明水彩絵具を使用し、与えられた条件の中で色と形の組み合わせを利用して、美しい画面を構成していく、というのが大雑把なイメージです。
小論文
デザインについて論じたり新しい発想のデザイン案を論じるなど、かなり実践的な内容の小論文が出題される場合があります。
立体系:プロダクト、空間・環境など
デッサン
鉛筆でのデッサンです。与えられたモチーフをそのまま描く課題もありますが、与えられたモチーフを自分で組み合わせたり、手を組み合わせたり、想像上のイメージを組み合わせたりして、それをデッサンという形で描画させる課題が多いといえるでしょう。
平面構成・色彩構成
アクリル絵具や透明水彩絵具を使用し、与えられた条件の中で色と形の組み合わせを利用して、美しい画面を構成していく、というのが大雑把なイメージです。
立体構成・空間構成・立体造形
与えられた素材(紙、木材など)を使用して、条件に従って立体的な造形を行います。素材を組み合わせて、台紙の上にしっかりとバランスの取れたオブジェを制作する、というのが大雑把なイメージでしょうか。
映像系
小論文
テーマを与えられて、それについて「論じる」課題が多いといえます。また、物語や絵コンテを制作したり、脚本を読んで、それについて文章を書くことを求められることもあります。
感覚テスト・視覚表現・造形表現テスト
与えられたテーマに対して、絵と文章を組み合わせて自分自身の考える物語やイメージを表現します。おおむね、鉛筆もしくは色鉛筆を画材として使用します。試験形式によっては、与えられた写真や自分で撮影した写真をコラージュして、1つの作品を作ることを求める場合もあります。
芸術学系
小論文
文章や図版・テーマを与えられて、それについて「論じる」課題が多いといえます。自分自身尾美術的なセンスに加え、それを補強する知識や、作品制作する人/しない人とのつながりを意識できるかどうかが、大変大事な要素となってきます。
視覚表現・造形表現テスト
与えられたテーマに対して、絵と文章を組み合わせて自分自身の考える物語やイメージを表現します。おおむね、鉛筆もしくは色鉛筆を画材として使用します。試験形式によっては、与えられた写真や図版をコラージュして、1つの作品を作ることを求める場合もあります。
油絵・油画系
デッサン
鉛筆デッサンと木炭デッサンと2つの場合があります。これは、描く紙と、画材(鉛筆なのか木炭なのか)の違いで、それぞれ多少描き方や描いた際の作品の雰囲気などが変わってきます。特に、木炭に関しては、木炭の扱い方を知る必要があるでしょう。
目の前のモチーフをそのまま描く入試問題もありますが、大学によっては、「モチーフを利用して自分の世界観を描き出す」ことを中心に求めてくる大学もあります。
油彩
一般的なイメージ通り、キャンバスに油絵の具で絵を描いていきます。
日本画系
デッサン
基本的に鉛筆でのデッサンです。目の前のモチーフをそのまま描く入試問題もありますが、大学によっては、「モチーフを利用して自分の世界観を描き出す」ことを中心に求めてくる大学もあります。
水彩
日本画、といっても、実際に日本画の画材を使用した入試を行うことはありません。たいていは透明水彩絵具を利用して、絵を描くことを求めてきます。
油絵・油画系と同様、目の前のモチーフをそのまま描くだけの入試問題もありますが、大学によっては、「モチーフを利用して自分の世界観を描き出す」ことを中心に求めてくる大学もあります。
版画系
デッサン
基本的に鉛筆でのデッサンです。テーマやモチーフを与えられ、それをもとに自分自身のイメージを描きだす、という課題が出題されます。
彫刻系
デッサン
鉛筆デッサンと木炭デッサンと2つの場合があります。これは、描く紙と、画材(鉛筆なのか木炭なのか)の違いで、それぞれ多少描き方や描いた際の作品の雰囲気などが変わってきます。特に、木炭に関しては、木炭の扱い方を知る必要があるでしょう。
多くの場合は、目の前のモデルを描いたり、自分自身の身体の一部を描きだすなど、肉体に関するモチーフを描くことを求められてきます。中には、モデルがずっと動き続ける中での描画を求めてくる大学もあります。
彫塑・立体造形
粘土で立体造形を行う課題です。テーマを与えられたり、自分自身の身体の一部などを、粘土を使用して形づくります。粘土の扱い方や道具の扱い方などは、しっかりと事前に対策しておかないと、試験本番では大きく時間をロスしてしまうでしょう。
建築系
デッサン
鉛筆でのデッサンです。目の前のモチーフをそのまま描くというよりも、与えられたモチーフを組み合わせて、空間を感じさせる造形を頭の中でイメージし、それを描き出させる、という課題が出題される傾向にあります。
立体造形・空間構成
与えられた素材(紙、木材など)を使用して、条件に従って立体的な造形を行います。素材を組み合わせて、台紙の上にしっかりとバランスの取れたオブジェを制作する、というのが大雑把なイメージでしょうか。
以上、非常に大雑把ですが、各分野の試験内容を網羅してみました。実際には、受験する大学/学科/試験形式によって試験内容は大きく異なってきますので、詳しいことが知りたい場合は、どうぞお問い合わせください。